私が去年の末に読んだ本に
「お箸」が
日本の食文化に対する姿勢を反映していると言う記述がありました。
大変興味深いので一部抜粋でご紹介します。
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日本だけでなく お箸を使う国は多いのですが
スプーン状の道具を使用しないで
お箸だけで食事を完結させるのは日本だけだと言われています。
他にも菜箸と取り箸など、用途やシーン、料理ごとに細かな使い分けをしたり
自分専用のお箸を持ったり、お箸に細かな使用法があるのは日本くらいです。
つまむ、持ち上げる、裂く、はさむ、切る。。。
たった二本の棒なのに、お箸はなんと万能なのでしょう!
しかし寄せ箸、刺し箸、拾い箸その他「嫌い箸」と言われるタブーが
ことのほか多いのも特徴です。
日本人は全てのものをお箸だけで食べ進めてきました。
にもかかわらず
なぜ「突き刺す」ことはしないのでしょうか?
おでんに入っているコンニャクは案外重くて
お箸ではさんで持ち上げようとすると ツルッと滑って落ちそうになります。
エイッと突き刺してしまえば苦労なく口元まで運べるはずなのに。
さらにお箸の形は、先が尖っているから食べ物を突き刺すには最適です。
しかしお箸で食べ物を突き刺す事を 日本では重大なタブーとしてきました。
この理由を私は、日本の稲作文化と深く関係があると考えています。
お箸で豆ひと粒、お米ひと粒をつまむ動作は
機械化される以前の稲作の様子を思い起こさせます。
腰をかがめて丁寧に思いを込めて田んぼに苗を植えていく。
まるであらかじめラインが引いてあったかの様に
綺麗に苗の線をつくり上げるさまは
見事と言うほかありません。
稲作農業は、長く日本の食を支える基盤でした。
大勢で力を合わせ、太陽や水などの自然を敬いながら
食生活と融合させてきたのです。
人々がどのように食を獲得してきたか。。。
その方法が食べ方に繁栄されるのだと私は考えています。
いっぽう 西洋料理で使われるフォークは まさに突き刺す為のもの。
料理を刺してナイフで切って食べるのが普通の食べ方です。
むしろ刺すことを前提に食事は進みます。
ここに
狩猟民族の生活が垣間見えると私は思います。
獲物を積極的、かつ、時には大胆に獲得して来た土地柄では
食もエネルギッシュでダイナミック、そして開放的。
食卓にサービされたあとも、お皿の上で食べる人みずからが
切って、刺して、口に運ぶのです。
またフォークでつぶして食べる事が正しいマナーの料理もあり
食べやすい様に食べることが優先で、合理的な価値観もうかがえます。
しかしお箸はめったに料理をつぶすことはしません。
日本には料理を目で楽しむ文化もあるため
盛りつけの形を壊すような食べ方を良しとしないのです。
焼き鳥やだんごなど 串に刺す料理はあるにもかかわらず、お箸では刺さない。
それは
お箸は単なる道具ではない
精神的な意味づけを持っているためなのでしょう。
しかし日本人の食の獲得の仕方は変化しました。
田植えを知らない私達の人口増加と共に、料理を「刺して」食べる人や
刺すことに抵抗感を持たない人は ますます増加傾向にあるかもしれません。
それでも
お箸の作法は
すべてにいのちがあった尊い存在の料理(食材)を
決して刺すことなくいただく作法
だと言うことを忘れたくないものです。
<引用終わり>
↓ こちらの本に載ってます。
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この本を読み終わってからお正月を迎え、お正月料理を頂く時に
今更ですが(汗)しみじみお箸の使い方に気をつけるわけであります。
そして、元旦早々に送られてきた友人からのメールに添付された
手作りおせち!! …
ぬぁんぢゃこりゃぁぁあ! スッ、スゴ過ぎる!!!
・:*:・宝石箱・:*:・の様な この
手作りおせち料理に
日本の古き良き伝統を感じつつ
来年こそ
1品くらいは作ってみようかなぁ、、、など
ちょっとだけ思う訳であります。 ちょっとだけねww
遠州日の丸会 花緒